母の日

  • 2012.05.13 Sunday
  • 16:27
 

今日は母の日。


ジョーンズ一家の母の日は…


 


「ダーリ〜ン!おはよう!今日は母の日よ。私へのプレゼントは何?」


キャロルは夫のドクタージョーンズに言った。


「えっえっ?母の日…いや、その…君は僕の母じゃないでしょう?」


「えっ…そ、そうよね…」


 


ドクタージョーンズはキャロルにわからないようにそっと階下に降りた。


台所を除くとミッシェルとピーターが何やらバタバタやっていた。


「君たち、何しているの?」


「あ、ダディー、おはよう。今日は母の日だからマミィーに朝ごはん作っているの。」


ミッシェルがにっこり笑って答えた。


「ああ、良かった。君たちは母の日をちゃんと覚えていたんだね。やはり僕の子供たちだよ。ところでプレゼントみたいな何かは用意してあるのかい?」


「うん。ほらっ」


とかわいいハートの包み紙でラッピングしてあるプレゼントをドクタージョーンズに見せた。


「おお!素晴らしい子供たちだ!」


そういうとドクタージョーンズは時計を見て、


「ああ、安心した。これであと15分寝られる…」


と二階に上がって行った。


「何なの?ダディーは…」


そこへ愛犬デュークを連れたミッキーが裏のドアを開けて入ってきた。


「ダディーは僕たちが母の日を忘れていると思ったのですよ。実際彼は忘れていたようですね。でもお母様は僕たちの母であって、彼の母ではありませんから、彼は関係ありませんけれどね。」


そうミッキーが言うとミッシェルが言った。


「そうかな…母の日っていうのはこのお家の母をねぎらう日なんだから家族でお母さんありがとうって感謝する日だと思うの。だからダディーだって当然参加してもらわなくっちゃ」


「それは、新しい発想ですね。まあ、家族が同じ屋根の下にいるケースにそれは可能になる行事ですね。」


「とにかくミッキーはどうでもいいからお庭のテーブルを整えてよ。」


「はいはい、そういたしましょう…。」


 


キャロルが身支度をして階下に降りていくと、キッチンで3人の子供たちがキャロルを待っていた。


「ハッピー・マザーズディ、マミィ!」


3人が声を揃えてキャロルの周りに集まってきた。


「3人でマミィにスペシャル・ブレックファーストを作ったのよ。こっちに来て!」


びっくりしているキャロルの手を取って、3人は驚いているキャロルをカーネーションが飾られたテーブルに案内して座らせた。


 


今日は母の日。


ジョーンズ一家の母の日は…


 


「ダーリ〜ン!おはよう!今日は母の日よ。私へのプレゼントは何?」


キャロルは夫のドクタージョーンズに言った。


「えっえっ?母の日…いや、その…君は僕の母じゃないでしょう?」


「えっ…そ、そうよね…」


 


ドクタージョーンズはキャロルにわからないようにそっと階下に降りた。


台所を除くとミッシェルとピーターが何やらバタバタやっていた。


「君たち、何しているの?」


「あ、ダディー、おはよう。今日は母の日だからマミィーに朝ごはん作っているの。」


ミッシェルがにっこり笑って答えた。


「ああ、良かった。君たちは母の日をちゃんと覚えていたんだね。やはり僕の子供たちだよ。ところでプレゼントみたいな何かは用意してあるのかい?」


「うん。ほらっ」


とかわいいハートの包み紙でラッピングしてあるプレゼントをドクタージョーンズに見せた。


「おお!素晴らしい子供たちだ!」


そういうとドクタージョーンズは時計を見て、


「ああ、安心した。これであと15分寝られる…」


と二階に上がって行った。


「何なの?ダディーは…」


そこへ愛犬デュークを連れたミッキーが裏のドアを開けて入ってきた。


「ダディーは僕たちが母の日を忘れていると思ったのですよ。実際彼は忘れていたようですね。でもお母様は僕たちの母であって、彼の母ではありませんから、彼は関係ありませんけれどね。」


そうミッキーが言うとミッシェルが言った。


「そうかな…母の日っていうのはこのお家の母をねぎらう日なんだから家族でお母さんありがとうって感謝する日だと思うの。だからダディーだって当然参加してもらわなくっちゃ」


「それは、新しい発想ですね。まあ、家族が同じ屋根の下にいるケースにそれは可能になる行事ですね。」


「とにかくミッキーはどうでもいいからお庭のテーブルを整えてよ。」


「はいはい、そういたしましょう…。」


 


キャロルが身支度をして階下に降りていくと、キッチンで3人の子供たちがキャロルを待っていた。


「ハッピー・マザーズディ、マミィ!」


3人が声を揃えてキャロルの周りに集まってきた。


「3人でマミィにスペシャル・ブレックファーストを作ったのよ。こっちに来て!」


びっくりしているキャロルの手を取って、3人は驚いているキャロルをカーネーションが飾られたテーブルに案内して座らせた。


 


「今日のメニューはね、フレンチトーストとメープルティーとフルーツヨーグルトだよ。」


ピーターが大きめのエプロンをして朝食を運んできた。


「まあ、あなたたち…」


感激屋のキャロルは目に涙をためていた。


「やだな、マミィはすぐ泣くんだから…お化粧したばっかなんだから、泣いちゃだめだよ。」


ミッシェルが言った。


そこへ2度寝から起きてきたドクタージョーンズも来てみんなでテーブルを囲んだ。


「マミィ、いつもありがとう!今日は母の日だからゆっくり過ごしてね。」


ミッシェルがそういうと、


「お天気良くって良かったぁ!お庭で食べると美味しさ倍増するものね。お料理の味も変わるってもんさ!」


ちょっとお焦げのあるフレンチトーストを頬張りながらピーターも言った。


 


「クックックッ…」


下を向いていたミッキーが変な声をあげた。


「ミッキー、どうしたの?」


キャロルが心配してミッキーに言った。


「いや、なんて良い素晴らしい家族なんだろうと感激してしまったのです。ああ、きっとこの家を一番最初に結婚をして出て行くのは僕だろうから、出て行ったあと僕は母の日が来る度に今日の日を僕は思い出すのですね。僕が一番に出て行っても続けてくださいね、このマザーズディ・スペシャル・ブレックファーストを…クックックッ…」


 


そんなミッキーを見ながらミッシェルが言った。


「大丈夫よ。ミッキー。ミッキーは結婚できなくてずっーとこの家にいるかさ!」


「うん、それに相手もいないのに、今からそんな心配しなくても大丈夫だよ。」


ピーターも言った。


「ああ、そうですか。良かった…ちょっと取越し苦労してしまいました。みなさん、お食事中に申し訳ない…」


ミッキーはそういうと焦げたフレンチトーストを頬張ってウンウンとうなづいた。


 


「まあ、ミッキーが結婚できようとできまいと、家族でこのようなパーティーができるのは、本当に幸せなこと。みんなありがとう。」


キャロルはみんなを見回して御礼を言った。


 


「マミィ、朝ごはんだけじゃないのよ。」


とミッシェルは3人からだとかわいいハートの包み紙でラッピングされたプレゼントを渡した。


「まあ、何かしら…」


そう言ってプレゼントを開けた。


キャロルの好きな薔薇の花が描かれたマグカップだった。


そのマグカップには


Our mom is the best mother in the world!


と書かれていた…


 


母の日…照れ屋さんも年に1回くらいはマミィにありがとうを言いましょう…


                                つづく


ジョーンズタウンカップケーキ

  • 2012.03.31 Saturday
  • 22:38

 「ねえ、グランマーシー・・・」
ある夕方、ジョーンズタウンにあるジョーンズカフェのオーナーのマーシーの孫娘ミッシェルが学校帰りにカフェに立ち寄り、新しいケーキの試作品を作っているマーシーに言った。
「マーシーにも悩みがある?」
ミッシェルの質問にちょっと驚いたマーシーは答えた。
「そりゃ、あるわよ。でも私はクヨクヨしたりするの大嫌いだから、なるだけ早く解決するけどね。」
「どうやって?」
ミッシェルは試作をしているマーシーのいるキッチンに入ってきて聞いた。
「そうね…私は一人で旅に出ちゃう!」
マーシーはケーキの卵白を泡立てながら答えた。
「旅に出ると、悩みはなくなるの?」
手際良く卵白を泡立てるマーシーの手元を見ながら、ミッシェルは聞いた。
「そうね・・・その場を離れるとね、大きな悩みに思えたことが小っちゃく見えたり、見えないでいた事が見えてきたりするのよね。」
「でもさ、旅に出ることが難しかったらどうしたらいいの?」
マーシーはミッシェルの顔を見ると、
「ちょっと待ってて、今手を止められないからね。」
そう言って手早く角が立った卵白をその前に用意していたものに混ぜてケーキ型に入れた。
「あら・・・ケーキの元がちょっと多かったわね・・・」
マーシーがそうつぶやくと、余ったケーキの元を見てミッシェルが
「マーシー、この余ったケーキの元、私にちょうだい。」
と小さな入れ物に入れた。
「チビケーキを焼くの。」
ミッシェルはマーシーの顔を見て得意そうに鼻を上に向けた。
「ミッシェルはいくつになった?」
マーシーが聞くとミッシェルは12歳と答えた。
マーシーはケーキ型とミッシェルのチビケーキをオーブンに入れると、カフェのマネージャー役のメイに
「メイさん、ちょっと出かけてくるわ。焼きあがる頃に帰ってくるわ。」とミッシェルを連れてカフェを出て行った。
二人とすれ違いざまにミッシェルの兄のピーターがカフェに入ってきてメイに言った。
「あれ?メイさん、あの二人何処行ったの?」
「俺、知らない。それより、ハーブティーのツメツメを手伝ってくれる?」
メイはピーターにそう言って、カフェに残った二人は今月から売り出したマーシーの長女「フェアリーマリスカ」プロデュースのハーブティーをツメツメし始めた。

「マーシー、何処いくの?まさかこのまま旅に出るわけじゃないでしょ?」
ミッシェルがちょっと不安そうにマーシーに言った。
「あはは!いくら私でも、ケーキ焼いている最中に旅に出ないわよ。」
そういうとジョーンズスクエアにある時計台「デビット」に登り始めた。
「気を付けて付いて来なさいよ。」
マーシーはミッシェルにそう言うとそれはそれは上手に登って行った。
マーシーに遅れまいとミッシェルも必死に付いて行った。
一番てっぺんまで登るとマーシーは桟に腰かけてミッシェルを手招きした。
ミッシェルはやっとの思いで桟に腰かけると息を飲んだ。
「マーシー・・・空が近い・・・綺麗・・・」
ミッシェルは頬を紅潮させてつぶやいた。
「私はね、旅に出られない時はここにくるの。ここから夕焼けを見てるとね・・・いやなことが小っちゃく思えるのよ。小さい時から何かあるとここに来たのよ。私の秘密基地だけどミッシェルに教えてあげる。」
ミッシェルは日が沈み始めて空が赤く染まる様子を見ていた。

そんなミッシェルにマーシーが言った。
「ミッシェルも12歳なんだね。そのくらいの年齢からはね、悩んでも悩んでもすべて自分で解決しなくちゃならないのよ。誰も人の心にははいれないからね。悩みは誰かが作るものじゃないの。自分が作るのよ。だから自分で解決しなくちゃならないの。でもね、悩んで気持ちが落ち込んでいる時間が長いのはつらいじゃない。だからどうしたら悩みが軽くなるのか、自分でいろいろ試してみることよ。ここに来たり、旅に出るのは私のやり方。もしミッシェルがここに来て心が軽くなるのなら、ここをあなたの秘密基地にしてもいいのよ。」
ミッシェルはじーっと夕焼けに染まる空を見ながらコックリうなづいた。

どのくらい時間が経ったのかミッシェルにはわからなかった。夕焼けが夕闇にかわろうとした頃、マーシーが
「冷えてきたわね。ケーキが焼けた頃ね。カフェに戻ろうか?」
とミッシェルに言った。

「そうだ!チビケーキが焼けているんだ!」

マーシーはミッシェルの目を見ながら真剣な顔で言った。
「いいこと、ミッシェル。ここは二人の秘密基地なんだから、誰にも言っちゃだめだよ。そして明るいうちに来るのよ。そして気を付けて登ること!わかったわね!」
ミッシェルはマーシーの顔を見るとニッコリ笑って親指を立てた。

カフェに戻るとカフェにはケーキの匂いが漂っていた。
ミッシェルが急いでオーブンを開けると・・・
ミッシェルのチビケーキはなんと真ん中がへこんでしまっていた・・・
「なんだ?このチビケーキ。」
それを見たメイとハーブティーをツメツメしていたピーターが笑って言った。
「おやおや、真ん中がへこんじゃったのね・・・」
マーシーもちょっと残念そうに言うとミッシェルはマーシーに生クリームをちょうだいと言い、なにやら始めた。

「できた!」
ミッシェルが叫ぶのと同時にみんなが一斉に言った
「すごい!かわいい!」



ミッシェルはケーキの真ん中に生クリームを入れてハートの切り抜きをしたつぶしたマシュマロをデコレーションしてかわいいケーキを作ったのだった。

「ミッシェル!すごいわ!これは・・・そうだ!ジョーンズタウンカップケーキと名付けてカフェのケーキにしましょう!」
マーシーが興奮してミッシェルに言った。
ミッシェルは鼻が上を向く「お得意顔」になってみんなを見回した。
「これはこのカフェの名物になること間違いなしだね。僕がかわいいイラストを描いてそれを箱に貼ろう!」
メイがそう言うとますますミッシェルの鼻が上を向いた。

                                 ・・・・つづく・・・



お知らせ。

  • 2012.03.23 Friday
  • 14:27

お知らせです。

次回のジョーンズタウン物語は、作者の都合により来週に更新することになりました。

心待ちにしてくださっている皆様、お楽しみに…

Jones Project Team

ハーブティー

  • 2012.03.07 Wednesday
  • 17:44
「こんにちは。ダニーきてますか?」
マーシーの同級生、ポールの広告会社で働くゼッチョンがジョーンズ・カフェに入ってきた。そしてカウンターの中にいるマーシーの姿を見つけると
「あっ、マーシーさん、帰ってらしたのですか?」
1月からしばらく「帰りは未定」という言葉を残して謎の旅行に出かけていたマーシーが、いつの間にか戻り、カウンターの中で何やら美味しそうな匂いを漂わせてお菓子を作っていた。
「うふふ。お久しぶり。リフレッシュして帰ってきたわよ。」
マーシーはニッコリ微笑んで言った。
「いい匂いだなぁ。やっぱこのカフェにはマーシーさんの作るお菓子の匂いがなくっちゃ!今度は何を作っているのですか?」
「うれしいこと言ってくれるじゃない。今作っているのは春の新作。試作段階なのよ。まだ改善の余地ありだから、もう少し待っててね。ところでスマイリーちゃんは元気?」
スマイリーとはゼッチョンの長男。ゼッチョンは仕事もきっちりこなし、育児もしっかりやる、スーパーダディなのだ。
「ええ、お陰様で。今スマイリーを保育園に送って行ったところです。」
「そういえば、あなたのとこ、2人目が生まれたわよね?」
「ええ、女の子でハーティーって名づけました。」
「おめでとう!お祝いしなくっちゃね!奥さんのクーリーちゃんは元気?」
「ええ、いつもの元気が進化して500倍くらいになっていますよ。」
「あはは!あの元気が500倍とはすごい。でも安心だわね。」
「ええ。ところで・・・ダニーは来ていませんか?」
ゼッチョンはマーシーに聞いた。
「あら?今日は来ていないわね。あなた、コーヒーでも飲んでいく?」
「いえ、もうすぐクライアントとの約束の時間なんです。ダニーがいないと困るんだけどな・・・どこ行っちゃったのかな?もし見かけたらすぐに社に戻るように伝えてください。じゃ、またあとで・・・」
そういうとゼッチョンは困った顔をしてカフェを出て行った。

丁度その時、2階からメイともう一人誰かが降りてきた。
「あらっ、ダニーじゃない!来ていたの知らなかったわ。」
「えーっ、俺、2階上がるとき、マーシーさんに声かけましたよ。マーシーさんお菓子作りに夢中だったけど・・・俺、断りもなく2階になんかあがらないっすよ。」
「そんなことより、今、ゼッチョンがあなたを探しに来たわよ。クライアントとの約束の時間だって・・・」
それを聞いてダニーは目を見開いて言った。
「やばい!忘れてた!じゃ、メイさん、あとでね!。」
ダニーは一目散にカフェを出て行った。その後ろ姿を見ながらマーシーが言った。
「全く、ダニーは最近ここに入りびたりだって噂よ。恋は盲目というけれど、大丈夫なの?」
「あれ?マーシーさん、誰に聞いたの?」
メイがちょっとびっくりしたようにマーシーに聞いた。
「誰かに言われなくたってダニーがここのアルバイトのスージーに夢中なんて、見てればわかるじゃない。知らないのは当のスージーちゃんだけよ。」
「そうですか、知っていたんですか。あんなに体が大きいのに、スージーちゃんの前では何も言えなくなっちゃうんですよ。」
メイが答えると
「そういうのって、体の大きさと関係ないんじゃないの?」
とマーシーが言った。

「お母様、めいさん、ごきげんよう!3月だというのにお外は寒いですわ。」
と隣町でハーブショップを開いている浮世離れしたマーシーの長女のフェアリーマリスカが大きな籠にハーブをいっぱい詰めてカフェに入ってきた。



「お母様がご旅行中にスージーちゃんとお話しして、わたくしがプロデュースするハーブティーをこちらで販売することになりましたの。本日スージーちゃんとミッシェルちゃんとここでツメツメするお約束になっていますの。」
そういうとテーブルにハーブを広げ始めた。

「あっ!マリスカおばさん!もう来ていたの?」
学校が終わったマーシーの次女、キャロルの子、ミッシェルとピーターがスージーと一緒にカフェに入ってきた。
するとフェアリーマリスカが叫んだ。
ミッシェルちゃん!」
なあに?マリスカおばさん。」
「ミッシェルちゃん、おばさんなんてここには一人もいなくってよ。おばさんなんて誰もいなくってよ!」
「だって、マリスカおばさんは、ママのお姉さんなんだから、私たちにとっては叔母でしょ?」
「そうですけど、私を呼ぶときは、フェアリーマリスカと呼んでちょうだい!よろしいこと?」
独身で年齢不詳を通しているマリスカは「おばさん」という言葉に敏感に反応してしまうのであった。
「さあ、皆様、わたくしのプロデュースしたハーブティーをツメツメしましょうね。」
とマリスカが言うと
「ああ、いい香り」
スージーは香りを楽しみながら手際よくフェアリーマリスカの指示通り、ハーブを詰め始めた。


「スージーちゃんって何でもできるんだね。ダニーさんにはもったいないよ。というか、この恋は成就しないと僕は見た。」
ミッシェルと一緒にカフェに入ってきたミッシェルの兄のピーターがカウンターにいるメイとマーシーにえらそうに言った。
するとマーシーがピーターの頭をピシャリとぶって言った。
「恋が成就しないなんて、口に出すんじゃないの!そういうことは、心の中で思っていればいいのよ、みんなそう思っているんだから・・・」
メイとピーターは目を合わせてプッっと吹き出した。
「ピーターもみんなとハーブティー作りしなさいよ。」
とマーシーが言うと
「いや、女がいっぱいいると面倒くさいから、僕はいかないよ。メイさんだってそうでしょ?」
メイはちっちゃく頷いて答えた。

「ああ、寒い!マーシーさん、さっきはすみませんでした。打ち合わせ終わったのでコーヒーとピザください。」
ゼッチョンとダニーがカフェに入ってきた。
「ああ、いい香りだ・・・なんですか?これ?」
ゼッチョンがマーシーに聞いた。
「ハーブティーよ。試してみない?そうだ、奥さんのクーリーちゃんにも持って行ってあげてね。元気500倍だって、子育ては大変なんだから・・・」
「ありがとうございます。クーリーも喜びます。」

スージーはハーブをツメツメしたいた手をさっと止めて、ゼッチョンとダニーのテーブルにお水を運んで二人に聞いた。
「ゼッチョンさん、ハーブティーは4種類ありますよ。気分をすっきりさせたい時はリフレッシュ・ブリーズ、気持ちをリラックスしたいときはアフタヌーン・リラックス。安眠効果の高いスィート・ドリーム・ミックス。美容に良いビューティー・マジック。どれになさいます?」
「僕はまだ仕事があるからリフレッシュ・ブリーズで気持ちをすっきりさせようかな?」
「はい、じゃ、ダニーさんはどうなさいます?」
下を向いて固まっているダニーの顏を覗き込むようにスージーがダニーに聞いた。」

「ぼ、ぼ、ぼくはコーヒーでいいです。」

と蚊の鳴くような声でダニーが答えて再び固まった。

「またっくぅ!話すチャンスだったのに、ダニーさんたら・・・歯がゆいなぁ」
カウンターの影でピーターが舌打ちをした。
「ピーターにここまで言われたら・・・」
とメイはそんなピーターを見ながら苦笑いをしてコーヒーを淹れ始めた。

あっちのテーブルでは、女の子たちがキャピキャピハーブをつめている・・・
ピザをほおばって「美味しい!」と喜ぶゼッチョンの横でコーヒーをすすりながらスージーをちら見しているダニー。
カウンターでは新しいゲームのソフトの話で盛り上がっているメイとピーター。

そんなカフェの日常を見ながら、マーシーの心の中はあったいものを感じた。
当たり前の日常を過ごせることの喜び・・・それが幸せというのかもしれない・・・

マーシーはそう思って新しいお菓子の試作を再び始めた・・・

                                              つづく・・・





















お知らせ

  • 2012.03.05 Monday
  • 09:06
こんにちは。作者の楢岡 いづみです。
2月より、ジョーンズプロジェクトチームの一員で、すべてのデザインを担当する叉原 冥のイラストの掲載を始めました。
それに伴い、物語の更新を2週間に1回とさせていただきます。
これからもジョーンズタウン物語、ジョーンズカフェをよろしくお願いいたします。

                                                楢岡 いづみ

ダニーの恋

  • 2012.02.22 Wednesday
  • 00:48
 「おい、ミッシェル。バレンタインデーは終わっちゃったね。」
北風を受けながら学校から帰る途中、ジョーンズタウンに住むジョーンズ一家の二男、ピーターが妹のミッシェルに言った。
「だから何?」
ミッシェルがちょっと不機嫌そうに答えた。
「ということは今年はどんなカップルが生まれたのか?だぞ。」
「だから何?」
寒さでますます不機嫌になったミッシェルが言った。
「今年も誰が誰にチョコレートを渡したのか、そしてカップルが成立したのかリサーチしなくっちゃ。」
ミッシェルは立ち止まり、憮然とした顔でピーターに言った。
「あのね、この街の人はほとんどみんな結婚しているの。結婚していないのなんてダニーさんくらいよ。でもダニーさんは若くないの。だからそんなリサーチしてもつまらないの!」
ジョーンズタウンには高校も大学もないから、ちょうどそのくらいの年の若い子はとなり街がビッグシティーの学校の寄宿舎に入ってしまうのだった。
「でも、思いがけない恋ってのがどこかで始まっているかもだよ。」
それでもあきらめずピーターはミッシェルに言った。
「そんなことスクープしたって誰も興味もたないわよ。それより早くジョーンズカフェに行こう。今日スージーちゃんはアルバイトお休みだからカフェでお化粧の仕方習うんだから・・・」
「えっ!あのお化粧教えてもらうの?」
ピーターが驚いて聞いた。
「だから何?」
「いや、なんでもない。」
これ以上ミッシェルを不機嫌にはさせられない・・・とピーターは黙ってしまった。

・・・やっぱり、女の子って強いのねぇ・・・・・(意味もない影の声)

ジョーンズタウンに住んでいたクラヴィッツおばさんの50年以上つづいていたカフェを4か月前引き継いだ元気なミドル・ウーマンのマーシー(ピーターとミッシェルの祖母)が経営するジョーンズカフェにアルバイトを始めたパンクガールのスージーQにお化粧を習うためにミッシェルカフェに入ってきてカフェを任されているメイに言った。
「ああ、寒かった・・・メイさん、ホットチョコレートちょうだい。あっ、ダニーさん、こんにちは!」
「やあ、ミッシェルちゃん。今日も寒かっただろ?」
マーシーの同級生ポールの広告会社で働くデザイナーのダニーがカウンターに座りながらっほっぺたを真っ赤にしているミッシェルに言った。
「ああ、寒かったからミッシェルの機嫌が悪くってさ」
ミッシェルの後ろからカフェに入ってきたピーターがみんなに言った。
「寒かったからじゃないわよ・・・ピーターがコチョコチョうるさいんだもの・・・誰かと誰かの恋がバレンタインデーをきっかけに始まったとかなんとか言ってさ。」
その言葉にダニーはカフェオレを飲みかけたところだったので、むせてしまった。
「ごほっ、ごほっ・・・ああ、びっくりした・・・誰かが恋をしているのかい?」
ダニーはピーターに聞いた。
「これから調査するんだよ。」
ピーターはメイが作ってくれたホットチョコレートを美味しそうに飲みながら言った。
そこにスージーQがやってきた。
「ミッシェルちゃん。待った?」
「今来たところ。メイさんにココア入れてもらったところ。」
「そう、良かった。メイさん、私にもホットチョコレートくださいな。あっ、ダニーさん、こんにちは!お休憩中なの?」
スージーQがカフェに入ってきた時から顔を真っ赤にして石のように固まってしまっていたダニーはスージーQが話けるとますます真っ赤になりさらに固まったダニーはコックリと頷いただけだった。

ミッシェルとスージーQは、テーブルで何やらたくさんのコスメを並べてたのしそうに盛り上がっていた。
ダニーはそんなスージーをチラチラ見て、そんなダニーをピーターはずっと見ていた。



「おいおいダニー、いつになったら帰ってくるんだよ。あ〜寒いねぇ・・・」
ダニーの会社の社長、マーシーの幼友達の親友ポールがカフェに入ってきた。
「あっ、社長!いや、あの、メイ君と仕事の相談していたんですよ。ねぇ、メイ君、あの、そのホームページどうするかのね・・・とか・・・」
「そうか、最近ジョーンズカフェに入りびたりだとみんな言っているぞ。」
ポールが言った。
メイは
「えっ?俺、ホームページつくるんすか?」
とびっくりしてそう言うと、ダニーはメイに向かってあわてて目配せをした。
「じゃ、そうわけでメイ君、よろしく。俺、社に戻りますから・・・あっ、社長、俺の分払っといてください。」
そう言うと嵐のようにカフェを出て行ってしまった。

その様子をみていたピーターは「もしかして、もしかするかも・・・」と一人でニヤニヤしていた。

「ポールさん、何か召し上がりますか?」
メイがポールに聞いた。
「いや、食べたいけど食べられないんだ。尿酸値高いから間食できないんだ。なんか体にいいジュースでも飲もうかな?あっ、グレープフルーツジュースはダメだよ。今飲んでる血液サラサラにする薬と相性悪いんだって。コーヒーでももらおうかな?ところでマーシーはいつ帰ってくるんだい?」
ポールがメイに言った。
「彼女、外に出ると全く連絡取らないからどこにいるかわかんないですけど、もうすぐ帰ってくるんじゃないんですか?」
コーヒーをドリップしながらメイが答えた。


寒さがまだまだ続くジョーンズタウンの街。
「キ〜ン、コ〜ン、カ〜ン、コ〜ン」
ジョーンズタウンのジョーンズスクエアにある時計台デビットの午後6時を告げる鐘の音もなんとなく寂しそうに響き渡っていた。


・・・マーシー、一体いつ帰ってくるのかしらねぇ・・・・(意味のない影の声)

                                     ・・・・・つづく・・・・・









スージーQ

  • 2012.01.29 Sunday
  • 10:24
「え〜!もうマーシーはいないの?」
キャロルは飛び出しそうになるくらい目を大きくしてメイに言った。
「ええ、突然9日から旅に出るって・・・キャロルさん知らなかったんですか?」
メイが言うとキャロルはじぃーとメイを見つめてこっくりとうなづいた。 
「全く、いっつもこうなんだから・・・」

「おはようございます!」
ジョーンズ・カフェの扉が開いてスージーが入って来た。
そのスージーを見てキャロルは固まってしまった・・・

耳は見えないくらいのピアス・・・鼻と舌にも光るピアス・・・首には蝶のタットウ…目の周りは黒のアイシャドウ・・・黒い口紅・・・




「お、おはよう・・・」
キャロルはなんとか挨拶だけはすることができた。
「キャロルさんですね。マーシーさんからいつもお話し聞いています。仲の良い親子なんだなって、いつも思っていたし、マーシーさんのお話から早くお会いしたいとずっと思っていました。
私、スージーQと言います。マーシーさんからアルバイトを頼まれて、今日からお願いします。色々教えてくださいね。」
にっこり笑ってスージーはキャロルに言った。そして真っ黒の口紅をスージーはぬぐった。
「マーシーさんが、黒の口紅だけはだめだって・・・赤にしなさいって・・・」
スージーはキャロルとメイにむかって笑いながら言った。
「ア、ア、ア、ルバイト・・・あ、あ、あなたがジョーンズ・カフェのアルバイト・・・」
キャロルは何が何だかわからない様子でカウンターの横に立ちすくんでしまった。

「そういうわけで、キャロルさん、スージーちゃんをよろしくお願いしますね。」
メイがキャロルに言ったのでキャロルは我に返った。

「そうそう、マーシーさんがスージーちゃんにカフェの中をバレンタインデー色にしてくれって言ってましたよ。デコレーションは何かスージーちゃんの好みで選んでいいそうですよ。」
「了解!すぐに取り掛かりますね。じゃ、お買いもの行ってきます。お店もうやっていますよね。ランチ前に仕上げてしまいますね。メイさん、他に何か買ってくるものはありませんか?キャロルさんは何かありますか?」
テキパキと答えるスージーであった。

「ちょっと・・・なんであの子をアルバイトにしたの?マーシーとどういう関係?」
スージーが買い物に出たあと、キャロルはメイに聞いた。
「いや、僕も最初彼女見た時に驚いたんですけれどね、どうしてかはわからないし、どういう関係かも僕は知りません。でもけっこうしっかりしているんですよ。」
メイはキャロルに言った。
「でも、あの出で立ちだと、びっくりするわよ。大丈夫なのかしら・・・?」
「大丈夫ですよ。僕なんかもう慣れちゃいましたよ。キャロルさんもすぐに慣れますよ、彼女のファッションに・・・」
「そんなもんかしら・・・今日の飾り付けがハロウィンみたいになっちゃったらどうしよう・・・そしたらメイさん、だめだって言ってよ!私は言えないからね。」
「僕だって言えませんよ。でも・・・そんな事ないですよ、キャロルさん。」

両手にいっぱいの荷物を抱えて帰ってきたスージーは早速カフェの中を手際よく飾り付け始めた。
キャロルは知らない振りをしながらもしっかりスージーをチェックしていた。
「あれだけのデコレーションをこの予算以内でちゃんと収めているわ・・・この子、どういう買い物したのかしら・・・」
スージーから渡された買い物のレシートを見てキャロルはそう思った。

「キャロルさん、このハート模様のシールは少しカーブを描いた方が綺麗ですよね?」
「えっ?あっ、あっそうねぇ・・・そうだわねぇ・・・」
キャロルは不意に話しかけられたのでびっくりしてしまった。

「あれま!なかなかいいセンスしているじゃない、この子・・・」
キャロルはスージーの飾り付けをみながらそう思った。

その後もテキパキと仕事をこなすスージーQ.
ランチのさばき方なんか、それはそれは見事だった。
「ちょっと、スージーちゃん、あなた前にこういうお仕事していたの?」
すっかりスージーに慣れたキャロルがスージーに聞いた。」
「ええ、私まだ学生やっているのですが、学費が足りなくなるとカフェでアルバイトしていたんです。」
「えっ?学生さん?何を勉強しているの?」
「ええ、科学です。」
「か、か、かがく・・・?」
「ええ、科学捜査分析官になりたいんです。」
「・・・」

その時、
「はーい!マミィ!」
とミッシェルがカフェに入ってきた。

「きゃ〜!」

ミッシェルが叫んだ。
「大丈夫よ、ミッシェル。彼女は怖くないわよ!」
キャロルがあわててそういうと、
「アビーね、アビーちゃんでしょ?」
ミッシェルは興奮して叫んだ。

「アビーちゃんて誰?」
メイとキャロルは同時に聞いた。
「TV番組のNCISのアビーちゃんよ!ちょーかっこいい!」
ミッシェルはスージーに言った。
「うふふ。私はアビーじゃないわよ。あなたがミッシェルね。マーシーがキュートで頭がいいっていつも言っているわ。私はスージーQ。よろしくね!ちなみに私もアビーの大ファンなの。」
「スージーね。よろしく!マーシー私の事そんな風に言っていたの?」
「ええ、きっと私と仲良くなれるって・・・」
「ねぇ、スージーも[カフ・パウ]飲むの?」
「うふふ、カフ・パウは物語上の飲み物なんですって。でもコーヒーは大好きよ!」
「じゃあ、スージー・カフ・パウってメニューつくらなくっちゃね!」
ミッシェルとアビー・・・いえ、スージーはニッコリ笑ってハイタッチした。

「なんだか・・・いい感じだわね、この子・・・」
キャロルは不思議そうにスージーを見つめた。
「でも…ミッシェルがあの恰好をしなければいいけれど・・・」
とちょっと不安も持ったキャロルであった。

・・・・ダニーだけじゃなく、ミッシェルもキャロルもノックアウトしてしまったスージーQ。ジョーンズ・タウンに新しい仲間が加わったのね、何が起こるか楽しみだわ・・・・

                                            つづく・・・






年明けのジョーンズカフェ

  • 2012.01.20 Friday
  • 23:21
 

キーンコン、カーンコーン

新年最初の時計台「デビット」の鐘が鳴った。

 

大晦日、遅くまでにぎやかだったジョーンズスクエアの朝6時はなんとも静かだった。

 

「みんなぁ!おはよう!新年よ!」

ジョーンズ家は相変わらずキャロルの声が響き渡っていた。

「新年早々、何も朝から子供たちを起こさなくってもいいんじゃないかい?」

ドクタージョーンズがキャロルに言った。

「だめだめ!1年の計は元旦にあり。でしょ?8時にはみんなでお屠蘇をいただきましょ。」

そう言うと、新調した真っ白なエプロンを付けてキッチンに降りて行った。

そのキャロルの後ろ姿を見たドクターは

「僕の奥さんはなかなかだね。」と一人でニンマリしていた。

 

・・・うふふ、仲がよろしいこと。ドクターはキャロルにぞっこんだから・・・

 

キャロルは真剣にお正月の用意をしていた。

そこへピーターとミッシェルが下りてきた。

「あけおめ〜!」

「あけおめ〜!」

「ちょっと。何そのアケオメって?」

キャロルが二人に聞いた。

「明けましておめでとう。の略。アケオメだよ。」

「まあ…。そんな風に言うの?」

とキャロルはいぶかしげに答えた。

「だめだめ…そんな言葉を使っては!言葉が乱れちゃうわ。」

「大丈夫ですよ、お母様。」

愛犬デュークの散歩から帰ってきたミッキーが言った。

「若い子の一過性のものですよ、お母様。携帯電話によるメールお普及から、こういう略語が若い子の暗号のように使われているのです。言葉はその時代、時代で微妙に変化していますが、それが定着するわけではないのです。お母様の時代だってあったはずです。でもそういう言葉は時間が経つと死語となってしまうではありませんか?」

「そうかしらねぇ…まあ、言葉使いのきれいなミッキーがそう言うのならばいいけれど、でも、ピーターもミッシェルも大人の人に向かって言わないでよ。」

キャロルは答えた。

 

その頃、マーシーは時計台のてっぺんに登り、時計台の精霊「デビット」と初日の出を見ていた。

「ああ、また新しい年が明けたわね。おめでとうデビット。」

「おめでとう。同じ1日の始まりなのに、1月1日は全くちがう1日だね。マーシーはどんな1年にしたいの?」

「そうね、身も心ももっと自由にしたいな。」
「それって、また旅に出るってこと?」
デビットが聞いた。
「うん。自分を見つめるには旅が一番いいからね。でも今は身軽じゃないから、カフェも大事だからすぐ帰ってくるけれどね。」
「そうか…僕はずっとここにいなくちゃならないからね、最低あと50年は…」
「そう言えば、デビットは修行中だったね。デビットも旅に出たいと思う?」
「いや、いつか修行が終わったら、ここを離れなくてはならないから、僕はここで街を守る使命があるから…」
「そうだったね…あと50年くらいあるのね。」
「うん…でも、マーシーは旅に出ておいで。」
デビットはマーシーに言った。

その頃、ジョーンズ・カフェに来たメイがカフェのシャッターをあけようとしていた。そのメイの後ろに急に人影が現れた。
「ぎゃ〜!!!!」
驚いたメイが大声をあげた。
「メイさん、僕だよ、ダニーだよ。そんなに驚かないでくれよ。」
「ああ、びっくりした!驚くなって言ったって、驚きますよ、こんなに急に現れるんだから…」
「それより、寒い中にずっといたから何か温かいものを飲ませてくれるかい?」
「いいですけど、一体何しにきたんですか?」
メイはカフェの扉の鍵を開けると急いで暖房を入れながらダニーに聞いた。」
「いや、その、あの…あのスージーちゃんは一体いつからここにくるのかなって…」
ダニーは一人で照れて頭を掻きながらカウンターに座った。」
「僕は知りませんよ。それより温かいヘイゼルナッツオレでいいですか?」
メイは怒ったようにダニーに言った。
「ああ、いいねぇ!あのヘーゼルナッツオレは病みつきになる味だね。」
その時、マーシーがカフェに走りこんで来た。
「なんかすごい声が聞こえたんだけれど、何かあったの?あら、ダニー、あなたこんな日のこんな時間にこんなとこで何やっているの?」
「こんなとこはないでしょう、マーシーさん。ダニーさんが僕の後ろから急に現れるから、僕が大声出したんです。本当にびっくりしたんですよ。」
メイはマーシーに訴えるように言った。
「ダニー、あなた実家に行ったの?元旦は家族と過ごさなければならない大事な日よ。」
「ええ、昨日顔出してきました。お袋が顔見る度に『結婚はまだか?まだか?』ってうるさいもんで、あまり長居できないんですよ。」
「あっはっはっ!当たり前じゃない、親なんだから…親じゃなくたって心配よ。」
マーシーは笑って答えた。
「ところでマーシーさん、旅に出るんですか?」
「ええ、ちょっとの間ね。なんで?」
「いや、その、あの、その間カフェが大変だろうなって…」
ダニーがメイの入れたヘーゼルナッツカフェを大きな手で包むようにして飲みながら言った。
「だから新しい女の子に来てもらうことにしたのよ。そうそうこの間その子、スージーが来ていた時、たしかダニーがいたわよね?すごいパンクパンクした子。」
「ええ、見ましたよ。彼女はいつからくるんですか?」
ダニーはちょっと顔を赤くしてちょっと興奮したようにカウンターから身を乗り出してマーシーに聞いた。
「まだ私が旅の時期を決めていないから彼女いつくるかわからないのよ。」
するとダニーの顔色が失望色に変わった。
その様子を見たマーシーはメイを見た。
メイはマーシーに向かってコックリとうなづいた。
「そうだったのね…」
マーシーはそうつぶやいたあと、ダニーに言った。
「10日過ぎに旅に出ようと思っているから10日過ぎにはスージーは来るわよ。」
するとダニーの顔色は失望色から再び赤に変わってにっこり笑って言った。
「そ、そ、そうですか…10日過ぎですね。」
「えっ、10日過ぎっていつ決めたんですか?」
びっくりしたようにメイがマーシーに聞いた。
「今よ。決めてあげないと、ダニーが大変だからね。メイさん、私ちょっとキャロルの所に行って来るね。あとよろしくね。」

マーシーが出て行ったあとダニーがメイに聞いた。
「俺さ、ずっと考えていたんだけれど、確かスピリチュアル・マキコが『結婚は来年』って言ったよね。そしてその次が『落ちる』で俺は恋に落ちた…ってことは、このまま言ったら、俺スージーちゃんと結婚するのかな?」
「そんなのわかりませんよ。まだスージーちゃんと話ししたことだってないんでしょ?それに僕は人の恋愛に絶対口ださないことにしているんです!。」
メイは今度はダニーにキャラメルカフェオレを出して言った。
そのキャラメルカフェオレを再び大きな手で包み込むようにして飲みながらダニーはメイに言った。
「そんなこと言わないで、一緒に考えてくれよ!う〜ん、このキャラメルカフェオレもいけるねぇ!寒い日には最高だよ!ああ、スージーちゃんのいるこのカフェでこのキャラメルカフェオレ飲みたいなぁ…」
目が❤になっているダニーを見ながらメイは
「僕の作ったのじゃだめですかね…」

マーシーの旅立ち、新人スージー、そのスージーに恋をするダニー…
一体どんな結末がくるのでしょうね!

                        …つづく…





お知らせ

  • 2012.01.12 Thursday
  • 19:21
作者が海外出張中で、インターネットに接続できない環境にあります。 物語の更新ができません。 今しばらくお待ちください。

落ちた…

  • 2011.12.31 Saturday
  • 16:27
 「マーシーさんいる?」
広告会社で働くダニーがカフェに入ってきた。
「あら、ダニー。今日で仕事終わり?」
「ええ、仕事終わったら会社で納会だから、ピザ7時ころ4枚取りに来たいんだ。」
「わかった。7時ね。丁度お客さん来てるから、メイさんに頼んでおくわ。」
「面接って、だれかここで働くの?あっ、わかった。マーシーさん、どっか行こうと思ってるんでしょ?」
ダニーが聞いた。
「あっはっはっ。ばれた?ちょっとばかり出かけたくなってね。」
「だよね。よく放浪癖のあるマーシーさんが大人しくカフェをやってるなと社長と言っていたんだよ。」
「じゃ、7時ね。」

年も押し迫ってきた。クリスマスが終わると。みんなの気持ちはお正月に向かっていくのである。
一方ジョーンズ家では、キャロルがお正月の準備で大忙しだった。
子供も犬もみんな動員して、大掃除をしていた。
「ちょっと。みんな今日中に終わらせなかったら、お正月が来ないわよ!買い出しもあるし、お節もつくらなくっちゃ・・・ああ、忙しい。」
「なんで、マミィはギリギリになって大騒ぎするかしら?」
ミッシェルが窓ふきをしているピーターに言った。
「性格でしょ?去年は『ああ、来年は1週間前からやるわ』なんて言っていたもの」
ピーターが答えた。
「僕たちには、計画してやれとか言うのにね。」
「私たちもギリまでやらない性格なのは、同じDNAだからかしら?」

・・・・・・・そんなこんなで、今日のジョーンズ家は戦争ですよ・・・・・


今年最後の営業のカフェも朝からパタパタ忙しかった。
その中にあのスピリチュアル・マキコもカウンターでアップルパイ・アラモードをほおばっていた。
「マーシー、来月は何のタルトを焼くの?」
マキコが聞いた。
「う〜ん、決めてないわ。お正月に考える。」
その時だった。カフェの扉があいて入ってきた女の子を見てちょっとみんな驚いた。

髪の毛は逆立っていて、真っ黒なお化粧で鼻ピアス。耳なんて耳とわからないくらいピアスが並んでいた。
「スージー。来たのね。」
マーシーがにっこり笑ってそのスージー声をかけた。
「メイさん。この子が話をしたスージーよ。」
「よろしく、メイです。」
「私がいない間、アルバイトに来てくれるの。カフェのことはメイさんに聞いてくれる?あとのことは。あっちのテーブルでお話しましょう。」
スージーはコックリとうなづいた。

「メイさん、ピザ出来てる?」
広告会社のダニーが時間よりちょっと早くカフェにピザを取りに来た。
「まであ出来ていませんよ。あと30分もあるじゃないですか。」
メイがそう答えてダニーを見ると・・・
ダニーはメイの声が聞こえないくらい固まってマーシーと話しているスージーを見ていた。
「ダニーさん、ダニーさん、そんなに見たらスージーさんに悪いですよ!」
メイがダニーの耳元で言った。
「・・・・」
「ダニーさん!」
ダニーは我に返って、メイの顏をマジマジ見ながら言った。
「メイさん・・・俺・・・あの子にやられたみたい・・・」
「えっ?何をやられたんですか?」
メイはびっくりして聞いた。
「俺、恋に落ちた・・・」
「えっー・・・・・・」

・・・・・・・・・以外や以外・・・ダニーさんてああいうパンク系が好みだったの?・・・・・・・

カウンターの隅では2つ目のアップルパイ・アラモードを食べていたマキコがにんまり笑った。
ダニーはにんまり笑うカウンターに座っていたマキコを見つけ
「あっ!落ちるって・・・落ちるって・・・マキコさんがこの間俺に言ったのは、このことだったんだぁ!」
と叫んでメイと目を合わせた。

ジョーンズタウンはそんなこんなで、年が暮れようとしていた。

恋に落ちたダニー。旅に出そうなマーシー。カフェの新しいアルバイトのスージー。ジョーンズ家の子供たち・・・
来年は一体どんな年になるのやら・・・

スピリチュアル・マキコはカウンターからみんなを見回してささやいた・・・
「来年も事件満載だわ・・・この街は・・・」


                                           ・・・・つづく・・・・・